医会長よりご挨拶
令和7年4月より、栃木県産婦人科医会会長に就任しました白石 悟です。
皆様には、日頃より栃木県産婦人科医会の活動にご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。
本県においても例外なく、医師偏在・地域偏在から産婦人科医の減少傾向が続いており、分娩を取り巻く医療体制は極めて厳しい状況にあります。日本ではかなりの勢いで進んでいる少子化の中で、2026年度を目途とした出産費用の保険適用が打ち出され、現場では大混乱となっており、診療報酬上の複雑な対応や書類業務の増加、助産師との役割分担など、新たな課題も生じております。分娩の安全と質を維持しながら制度変化に適応していくため、医療者間の連携と現場の声の集約がこれまで以上に重要となっております。
令和6年4月からの医師の働き方改革では、長時間勤務の是正や宿日直許可のあり方、チーム医療の構築など、私たち産婦人科医の働き方そのものを再考する局面を迎えております。特に若手医師や女性医師にとっては、出産・育児とキャリア形成の両立が切実な課題であり、多様な働き方を柔軟に選べる体制整備が不可欠です。
そうした中、本年は当会にとって大変意義深い一年となります。まず、6月の第149回関東連合産科婦人科学会総会・学術集会において「若手医師のキャリア形成」をテーマとした共催シンポジウムを開催予定です。現場で奮闘する若手産婦人科医の声を拾い上げ、地域全体で育て支える仕組みについて、皆様とともに議論を深めてまいります。
さらに、10月には関東ブロック産婦人科医会協議会・社保協議会を開催予定です。栃木県内には2つの医学部を持つ自治医科大学、獨協医科大学を中心に、地域の中枢となる病院や優秀な開業医も在籍していますので、是非そこで関東の先生方と情報を共有し、よりよい地域医療のあり方を探っていけるような会にしたいと考えております。
産婦人科医療の安定と発展、そして医師一人ひとりの働きがいと安心を守る活動を続けてまいります。これからも地域に根付いた医療を実践していきたいと思っておりますので、多方面からのご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。